大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)6121 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鈴木義男、同鈴木直二郎、同河野太郎の上告趣意第一点(一)について

憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張であつて、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない(第一審判決が確定した事実を支持した原判決

は、所論の各書証を証拠に採用していないことが判文上認められるから判決に影響

を及ぼさないことが明らかである)。

同第一点(二)について

憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれ

のない組織と構成をもつ裁判所による裁判を意味するものであつて、個々の事件に

つきその内容実質が具体的に公正妥当なる裁判を指すものではないこと及び同法三

七条二項は、裁判所が被告人又は弁護人から申請した証人は、不必要と思われる者

まで悉く尋問しなければならないという趣旨でないことは当裁判所屡次の判例が示

すところである(前者につき昭和二二年(れ)四八号同二三年五月二六日大法廷判

決、集二巻五号五一一頁、後者につき昭和二三年(れ)二三〇号同年七月二九日大

法廷判決、集二巻九号一〇四五頁参照)。されば事実審裁判所が、弁護人の申請に

かかる証人を不必要と認めて、その取り調べをしなかつたからといつて、憲法の右

条項に違反するものということはできないから論旨は理由がない。

同第二点は、事実誤認、法令違反の主張であり、同第三点は、量刑不当の主張で

あつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らい。

また記録を調べても本件について刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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昭和二九年六月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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